こんにちは。アートの楽しみ方が広がる専門情報サイト『アートの小道』です。
今回のテーマは、20世紀初頭のフランスを代表する芸術家「アンリ・マティス (Henri Matisse)」。
「名前は聞いたことがあるけど、どんな画家なの?」
「マティスの有名な作品はなに?」
そんなあなたに、マティスの簡単な経歴・魅力・代表作などをわかりやすく解説していきます!
「マティス」と「フォーヴィズム」
フォーヴィスムとはどんな芸術運動?
マティスは、20世紀初頭に生まれた芸術運動「フォーヴィスム(Fauvisme)」を代表する画家の一人です。
フォーヴィスムと聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、考え方はとてもシンプルで、色を自由に使い、感じたままを表現する ことを大切にしています。
当時の絵画はもともと 「見たものをできるだけ正しく描く」 という考え方が主流でしたが、フォーヴィスムの画家たちはその常識にとらわれませんでした。
空が青く見えても、自分の心が赤を感じたなら赤で描く。木が緑でも、黄色や紫で描く。そんなふうに、目に見えるままではなく、心が動いた色を画面に置いていくスタイルが特徴です。
色づかいが大胆でありながら、どこか温かさや勢いを感じる作品が多いのも、この運動ならではの魅力です。
マティスがフォーヴィスムの代表と言われる理由
マティスの絵を見てみると、鮮やかな赤や青、緑など、その時の感情をそのまま色にしたような画面が目を引きます。
彼は、現実の色に合わせるよりも、「その場で感じた色や雰囲気」を大事にしており、フォーヴィスムの精神を最も強く体現した画家の一人とされています。
とはいえ、ただ派手な色を使っているだけではありません。
色同士のバランスや配置にはマティスならではの感覚があり、強い色を置いても不思議と落ち着いた調和が生まれるのが特徴です。
この 「色で気持ちを表現する」という姿勢は、20世紀の絵画に新しい方向性を示しました。
マティスの生涯と作品

アンリ・マティスは、1869年にフランスで生まれた画家です。
一見ふつうの風景や人物を描いているようでいて、実はとても独特な表現をすることで知られています。
彼が特にこだわったのは「色」と「形」。
目に見えたものをそのまま描くのではなく、「自分がどう感じたか」を自由に色で表現したため、木がピンクだったり、空が真っ赤だったりと、現実とはまったく違う色使いの絵も多くあります。
こみちマティスの作品は、当初は多くの人に理解されず、「こんなの絵じゃない」と批判されたこともありました。
けれども、彼の大胆で自由なスタイルは、時代とともに評価されるようになります。
現在では、彼は「現代美術の巨匠」として世界中にその名が知れ渡っています。
マティスの代表作品
青い裸婦
「青い裸婦」は、アンリ・マティスが1907年に制作した代表的な絵画の一つです。
この絵には、青い色をメインに使って、静かに座っている女性の裸の姿が描かれています。
ただリアルに描いているのではなく、体のラインをシンプルな曲線で表現しているのが特徴です。
マティスは、体の細かい部分をあえて省いて、形をわかりやすく・印象的に見せる工夫をしていました。
当時の絵画では、裸婦(裸の女性)はリアルで美しく描かれるのが普通だったため、「青い裸婦」は色も形も大胆で、見たことのない新しい表現で、その斬新さが「新しいアートの形」として後の注目を集めていきます。
ダンス
1910年に制作された「ダンス」は、「青い裸婦」とともにマティスの代表作として知られています。
大きなキャンバスに、5人の裸の人たちが手をつないで輪になって踊っている様子が描かれています。
背景はとてもシンプルで、赤い大地と青い空、そして踊っている人たちの肌はオレンジに近い色で塗られています。
人々の表情を見てとることは出来ず、限られた色しか使われていませんが、「ダンス」というタイトルから「明るさ」や「躍動感」が感じられるような不思議な作品です。
赤い部屋(赤いハーモニー)
「赤い部屋(L’Atelier Rouge / 赤のハーモニー)」は、マティスが1908年に描いた有名な絵です。
一言でいうと、部屋の中が全部まっ赤!
テーブルも壁も床も、全部がつながっていて、赤い背景に模様が描かれているような、インパクト抜群の作品です。
部屋の中には、テーブルや椅子、花瓶、果物、そして絵画が置かれていますが、普通の部屋の絵と違って、奥行き(遠近感)や影があまりないのが特徴的です。
マティスの技法と魅力
マティスの作品には、はっきりとした色使いと、無駄をそぎ落としたような形の扱いがよく見られます。
彼は目に映ったものをそのまま細かく描き込むのではなく、「その対象から感じた本質」を色や形に置き換えるようにして表現していました。
特に赤・青・緑などの強い色を画面の中心に据え、大胆に構成する点が印象的です。
こうした技法は、難しい知識がなくても作品に入りやすく、見る人が自分のペースで色や形を味わえるような余白をつくっています。
作品を前にすると、視覚的な心地よさに引き込まれつつ、どこか明るく穏やかな気持ちになるのも特徴です。
色彩の力を引き出す工夫
マティスは「色には人の心を動かす力がある」と考えていました。
そのため、絵の具の混色をなるべく抑え、色そのものの魅力がまっすぐ伝わるようにしています。明るい色の面を広くとり、対照的な色を近くに置くことで、画面全体が軽やかに見えるよう計算されているのもポイントです。
また、彼は後年、紙を切り抜いて構成する切り絵(カットアウト)というスタイルに取り組みました。色紙を配置するだけでリズムが生まれ、まるで音楽のように画面が調和していく技法で、晩年の代表作として知られています。
シンプルな形なのに強い存在感があり、マティスの色彩感覚がそのまま形になったようなシリーズです。
現代美術の巨匠、マティスの魅力をご紹介しました
いかがでしたか?
今回は、アンリ・マティスの作品や魅力について分かりやすくご紹介しました!
アートについてさらに深く学んで、より一層マティスの作品を楽しんでみてください!
それでは、次回の投稿もお楽しみに!









