【アール・ヌーヴォーの巨匠】「愛」と「官能」を描いた画家|クリムトってどんな人?

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グスタフ・クリフトを知ろう

こんにちは、日本で一番”敷居の低い”アートマガジン、アートの小道です。

今回のテーマは、オーストラリアの画家、「グスタフ・クリムト」

「名前は聞いたことあるけど、クリムトって何がそんなにすごいの?」
「いやいやクリムトって誰?」…そんな風に思っているあなたへ。

金ピカの背景に、絡み合う男女。

官能的で不思議な世界感が持ち味の作品たち。

今回は、そんな他の画家とは一線を画す魅力的な作品を生み出したグスタフ・クリムトについて、その人生や代表作などをわかりやすく解説していきます!

▼絵画の著作権についてはこちらの記事にまとめています。
【アートの豆知識】あなたの好きな画家の著作権、切れてる?切れてない?

「クリムト」とは?

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芸術家・クリムトの生い立ち

1862年、オーストリアにあるバウムガルテンというごく普通の町で生まれた、グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)。

父は金を使った工芸品を作る職人、母は音楽が大好きという、芸術に囲まれた家庭で育ちました。

幼い頃から絵を描くことに才能を見せたクリムトは、14歳の若さでウィーンの芸術学校に入り、弟や仲間と一緒に絵の仕事を始めました。

最初は、建物の壁や天井に装飾を描く、現代でいうところのデザイナーのような仕事からのスタートでした。

クリムトのキャリア

クリムトは、最初から「有名画家だった」わけではありません。

彼の初期の仕事は、劇場や公共建築物の天井画や壁画の制作でした。

その丁寧で美しい仕事ぶりが注目され、クリムトは若いうちから成功をおさめます。

次第に彼は、当時の「こう描くべき」という古い美術のルール(アカデミック絵画)から離れ、
もっと自由に、自分らしく、装飾的で官能的な独自の路線へと進んでいきます。

この思い切った変化が、のちの代表作として有名な「接吻」などにつながっていき、アートの愛好家から「愛の表現者」「官能の画家」などと評されるようになっていきました。

クリムトの芸術運動

クリムトは「何派」の画家なの?

グスタフ・クリムトは、アール・ヌーヴォー(新芸術)と呼ばれる芸術運動の中で特に重要な位置にいます。

「アール・ヌーヴォー」とは、1800年代の終わりごろから1900年代の初めにかけてヨーロッパで流行したデザインのスタイルです。

このスタイルは、自然のかたち(花や植物など)や、なめらかな曲線を使った、美しくて飾りの多いデザインが特徴です。

クリムトは、このアール・ヌーヴォーの中でも、特にきらびやかで、どこか大人っぽい魅力のある作品を描いたことで有名です。

クリムトの技法

クリムトの絵は、黄金様式(おうごんようしき)と呼ばれる技法で知られています。

このスタイルは、本物の金のうすいシート(金箔)を使って、絵にキラキラとした輝きを出すのが特徴です。

さらに、細かい模様や意味のあるマークを散りばめることで、神秘的かつ魅力的な雰囲気をつくり出しています。

また、クリムトは「ウィーン分離派」という芸術グループを立ち上げた1人でもあります。

このグループは、それまでの古い芸術のやり方にとらわれず、新しく自由な表現を目指しました。

クリムトの代表作

「接吻」1907 – 1908年

クリムトの代表作の中でも最も有名なのが「接吻」です。

1907年から1908年にかけて制作された絵画で、油彩と金箔があしらわれたとっても華やかな作品。

男女が愛情深く抱き合っている姿が描かれていて、その愛の深さが伝わってきます。

まさにクリムトの「黄金時代」を象徴する作品で、彼が金箔を使った華麗な作風を確立した時期です。

「生命の樹」1909年

「生命の樹」は1909年に完成したクリムトの大作。

実物は縦長の作品で、高さの寸法は195㎝と、大人の男性の伸長を超える大きさがあります。

実は「生命の樹」は「期待」「抱擁」の3部構成のうちの中央部分。

複雑に絡み合いながらたくましく成長する大樹やそれを取り巻く生命の姿が魅力的で、自然の偉大さや生命の神秘を感じさせてくれます。

「ユディト」1901年

クリムトは女性の美しさをテーマにした作品も多く残しています。

その中でも「ユディト」は特に有名な作品です!

この絵は、クリムトが旧約聖書の女性ヒロイン「ユディト」を題材に描いた作品。

彼女はユダヤの寡婦で、敵将のホロフェルネスを誘惑し、寝首をかいて討ち取ったという勇敢な女性。

うっとりとした官能的な表情と、力を持つ女性の自信を表すような作画は、当時の女性観に対する挑戦的な表現としても高く評価されています。

グスタフ・クリムトの魅力をご紹介しました

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いかがでしたか?

クリムトの生い立ちやキャリア、代表作などをわかりやすく解説しました。

官能的な作風で少し挑発的にも映るクリムトの作品ですが、その背後には人間の本質や愛、美に対する深い洞察があります。

ぜひこの機会に、彼の芸術にじっくりと触れてみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回の投稿もお楽しみに!

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