こんにちは。芸術の魅力を発信する専門メディア「アートの小道」です。
2026年の国内のアートシーンは特別な1年になりそうです!
というのも、アートファンに愛される印象派の巨匠、クロード・モネが亡くなってからちょうど100年。
さらに、上野にある「都美(とび)」の愛称でおなじみの東京都美術館が、開館から100周年という記念すべきダブルの節目を迎えるからです。
そこで今回は、2026年前半に国内で見ることができる注目の西洋美術展をまとめました。
ぜひ、お出かけのご参考にしてください。
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なぜ2026年は「特別な展示」が多いの?
モネ没後100年という節目
2026年は、印象派を代表する画家クロード・モネが亡くなってから100年にあたります。
この節目をきっかけに、モネの代表作だけでなく、同じ時代を生きた画家たちや、印象派が生まれた背景まで含めて紹介する展示が増えています。
作品を見るだけでなく、「どんな時代に、どんな思いで描かれたのか」を知りながら楽しめる構成が多いのが特徴です。
東京都美術館の100周年も重なる
また、1926年に開館した東京都美術館は、2026年に100周年を迎えます。
この貴重な記念年に合わせて、これまでの活動を振り返りつつ、美術の流れを丁寧に紹介する企画が予定されています。
話題性を重視するというより、改めて美術史をじっくり味わえる展示が多くなるのも、この年ならではと言えるでしょう。
迷ったらここ!2026年前半の「推し」展示5選
2026年も多くの展覧会が開催されますが、特に「これだけはチェックしておきたい」というものをピックアップしました。
- クロード・モネ展(アーティゾン美術館):没後100年の大本命。
- スウェーデン絵画展(東京都美術館):100周年記念の目玉。北欧の光が美しい。
- テート美術館展(国立新美術館):イギリスの現代アートの熱気に触れる。
- チュルリョーニス展(国立西洋美術館):知る人ぞ知る、幻想的な世界観。
- ゴッホ展(上野の森美術館):誰もが知る天才の、知られざる努力の跡。
特に「100周年」という節目が訪れる機会はめったにないので、美術館側が数年前から準備を重ねてきた大規模展が実現しやすいです!
普段は海外の美術館でしか見る機会のない作品が日本で紹介されたり、最新の研究をもとに、作品の見方がわかりやすく工夫されている点も注目したいところです。
【2026年上半期】歴史的節目を飾る注目の美術展
クロード・モネ ― 風景への問いかけ

アーティゾン美術館(東京・日本橋)
1926年に亡くなった画家クロード・モネの、没後100年を節目とした展覧会です。
この展覧会では、「印象派の代表的な画家」というイメージだけでなく、モネが年齢を重ねる中で、風景とどのように向き合い、描き続けてきたのかに目を向けています。
アーティゾン美術館が所蔵するモネ作品を中心に、国内外の美術館から代表的な作品が集まり、時代ごとの作風の変化をまとめて知ることができます。
光の変化をどう捉えようとしたのかを、制作の流れに沿ってたどれるため、モネの絵を初めてじっくり見る人にも理解しやすい内容になっています。
展覧会概要
| 項目 | 内容 |
| 展覧会名 | モネ没後100年 クロード・モネ -風景への問いかけ |
| 会期 | 2026年2月7日(土) 〜 2026年5月24日(日) |
| 会場 | アーティゾン美術館(東京都中央区京橋1-7-2) |
| 開館時間 | 10:00〜18:00 ※金曜(3/20除く)、5/2、5/9、5/16、5/23は20:00まで ※入館は閉館の30分前まで |
| 休館日 | 2026年2月16日(月)、3月16日(月)、4月13日(月)、5月11日(月) |
| 展示内容 | オルセー美術館所蔵の約90点を含む合計約140点。モネの画業を年代順に追い、風景画の革新性に迫る大規模展。 |
| 公式サイト | artizon.museum/exhibition_sp/monet2026/ |
アクセス情報
| 手段 | 詳細 |
| JR利用 | JR「東京駅」八重洲中央口より徒歩約5分 |
| 地下鉄利用 | 東京メトロ銀座線「京橋駅」6番出口・7番出口より徒歩約5分 東京メトロ銀座線・東西線・都営浅草線「日本橋駅」B1出口より徒歩約5分 |
| 住所 | 〒104-0031 東京都中央区京橋1-7-2 |
スウェーデン絵画 ― 北欧の光

東京都美術館(東京・上野)
1926年の開館から100年を迎える東京都美術館の記念展です。
スウェーデン国立美術館の協力のもと、19世紀末〜20世紀初頭のスウェーデン絵画が本格的に紹介されます。
当時、パリで美術を学んだ画家たちは、帰国後に自国の自然や人々の暮らしを題材に作品を制作しました。
こうした流れは、「ナショナル・ロマンティシズム」と呼ばれています。
フランスの印象派とは少し違い、北欧ならではの静かな光や落ち着いた色づかいが感じられるのも特徴です。
絵の雰囲気を比べながら、地域ごとの表現の違いを知るきっかけになる展示です。
展覧会概要
| 項目 | 内容 |
| 展覧会名 | 東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき |
| 会期 | 2026年1月27日(火) 〜 2026年4月12日(日) |
| 会場 | 東京都美術館(東京・上野公園) |
| 開館時間 | 9:30〜17:30 ※金曜日は20:00まで ※入室は閉室の30分前まで |
| 休館日 | 月曜日、2月24日(火) ※ただし2月23日(月・祝)は開室 |
| 展示内容 | スウェーデン国立美術館の全面協力により、19世紀末のスウェーデン美術黄金期の名品約80点を一挙紹介。北欧独自の光や自然、豊かな日常を描いた作品が並びます。 |
| 公式サイト | swedishpainting2026.jp |
アクセス情報
| 手段 | 詳細 |
| JR利用 | JR「上野駅」公園改札より徒歩約7分 |
| 地下鉄利用 | 東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」7番出口より徒歩約10分 |
| 京成線利用 | 京成電鉄「京成上野駅」より徒歩約10分 |
| 住所 | 〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36 |
テート美術館展:YBA & BEYOND

国立新美術館(東京・六本木)
1990年代のイギリスで注目を集めた現代美術の流れ、YBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)を中心に紹介する展覧会です。
- ヤング・ブリティッシュ・アーティストとは?
-
1980〜90年代にロンドンを拠点に活動した若手作家たちの総称で、身近な素材や強いメッセージ性をもつ作品で話題になりました。
会場では、絵画だけでなく、写真や彫刻、空間全体を使ったインスタレーションなど、さまざまな表現を見ることができます。
こみち1990年代に投げかけられた問いが、今の私たちにはどう映るのか。そんな視点も見所の一つです!
展覧会概要
| 項目 | 内容 |
| 展覧会名 | テート美術館展:YBA & BEYOND |
| 会期 | 2026年1月24日(土) 〜 2026年5月10日(日) |
| 会場 | 国立新美術館(東京・乃木坂) |
| 開館時間 | 10:00〜18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで |
| 休館日 | 毎週火曜日 ※ただし2月11日(水・祝)、4月29日(水・祝)、5月6日(水・祝)は開館し、2月12日(木)、4月30日(木)、5月7日(木)が休館 |
| 展示内容 | 英国のテート美術館が所蔵する、デミアン・ハーストら「YBA」を代表する作家から、その後の現代美術シーンを牽引する作家たちの作品までを一堂に紹介。 |
| 公式サイト | ybabeyond.jp |
アクセス情報
| 手段 | 詳細 |
| 地下鉄利用(直結) | 東京メトロ千代田線「乃木坂駅」青山霊園方面改札 6出口(美術館直結) |
| 地下鉄利用(徒歩) | 都営大江戸線「六本木駅」7出口より徒歩約4分 東京メトロ日比谷線「六本木駅」4a出口より徒歩約5分 |
| 住所 | 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 |
ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス展


国立西洋美術館(東京・上野)
リトアニアを代表する画家であり作曲家でもある、チュルリョーニスの個展です。
彼は、音楽と絵画の両方に取り組み、その感覚を行き来するような独自の表現を生み出しました。
その作品は、のちの象徴主義や抽象美術につながるものとしても評価されています。
本展では、神話や宇宙、音楽のリズムを思わせる連作を通して、チュルリョーニスがどのような世界観を大切にしていたのかを、わかりやすく紹介する内容になっています。
展覧会概要
| 項目 | 内容 |
| 展覧会名 | ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス 内なる星図 |
| 会期 | 2026年3月7日(土) 〜 2026年6月7日(日) |
| 会場 | 国立西洋美術館(東京・上野) |
| 開館時間 | 9:30〜17:30 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入館は閉館の30分前まで |
| 休館日 | 月曜日、3月24日(火)、5月7日(木) ※3月23日(月)、3月30日(月)、5月4日(月)は開館 |
| 展示内容 | 音楽と絵画を融合させた独自の世界観を持つチュルリョーニスの、リトアニア国外では過去最大規模となる回顧展。神秘的で宇宙的な広がりを持つ作品群を紹介。 |
| 公式サイト | 2026ciurlionis.nmwa.go.jp |
アクセス情報
| 手段 | 詳細 |
| JR利用 | JR「上野駅」下車 公園口より徒歩1分 |
| 地下鉄利用 | 京成電鉄「京成上野駅」より徒歩7分 東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」より徒歩8分 |
| 住所 | 〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7 |
大ゴッホ展 夜のカフェテラス(上野の森美術館)


最新の公式サイト(https://grand-van-gogh-tokyo.com/)の情報を精査し、2026年に開催される「大ゴッホ展 夜のカフェテラス」の内容に修正いたしました。
この展覧会は、名作《夜のカフェテラス》が20年ぶりに来日する、非常に注目度の高い展示です。
大ゴッホ展 夜のカフェテラス(上野の森美術館)
画像出典:展示会公式サイト
上野の森美術館(東京・上野)
オランダの至宝とも称されるファン・ゴッホの傑作《夜のカフェテラス》が、約20年ぶりに来日する特別な展覧会です。
本展では、世界屈指のゴッホ・コレクションを誇るクレラー=ミュラー美術館の全面協力により、画家の「創造の連鎖」をテーマにその軌跡を辿ります。
最大の見どころは、夜の青とガス灯の黄色が鮮烈な対比を見せる《夜のカフェテラス》。黒を使わずに夜を描き出した革新的な表現を、間近で鑑賞することができます。
また、ゴッホが刺激を受けたモネやルノワールといった印象派の巨匠たちの作品も併せて展示され、彼がどのようにして唯一無二の芸術を切り拓いていったのか、その過程を深く知ることができる構成になっています。
展覧会概要
| 項目 | 内容 |
| 展覧会名 | 大ゴッホ展 夜のカフェテラス |
| 会期 | 2026年5月29日(金) 〜 2026年8月12日(水) |
| 会場 | 上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2) |
| 開館時間 | 未定(詳細は決定次第公式サイトにて告知) |
| 休館日 | 未定(詳細は決定次第公式サイトにて告知) |
| 展示内容 | クレラー=ミュラー美術館所蔵のファン・ゴッホ作品約60点に加え、モネ、ルノワールなどの印象派作品を展示。目玉は20年ぶりの来日となる《夜のカフェテラス》。 |
| 公式サイト | https://grand-van-gogh-tokyo.com/ |
アクセス情報
| 手段 | 詳細 |
| JR利用 | JR「上野駅」公園口より徒歩約3分 |
| 地下鉄利用 | 東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」より徒歩約5分 京成電鉄「京成上野駅」より徒歩約5分 |
| 住所 | 〒110-0007 東京都台東区上野公園1-2 |
2026年前半・注目展覧会一覧表
| 展覧会名 | 会場 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| クロード・モネ ― 風景への問いかけ | アーティゾン美術館 | 没後100年。「印象派」の枠にとどまらず、モネが年齢を重ねる中での風景や描き方の変化の過程をたどることができます。 |
| スウェーデン絵画 ― 北欧の光 | 東京都美術館 | 開館100周年記念。日本では紹介される機会が少なかったスウェーデン絵画の魅力が楽しめます。 |
| テート美術館展:YBA & BEYOND | 国立新美術館 | 1990年代に注目を集めたイギリスの若手作家たち(YBA)の作品を中心に紹介されます。 |
| チュルリョーニス展 | 国立西洋美術館 | 作曲家でもあったチュルリョーニスによる、音楽のリズムや構成を絵画に取り入れた独自の作品群を紹介。 |
| 大ゴッホ展 夜のカフェテラス | 上野の森美術館 | ゴッホの人気作の一つ《夜のカフェテラス》が約20年ぶりに来日します。 |
※開催時期・会期は変更される可能性があります。
※実際に足を運ぶ際には、必ず公式サイトの営業時間・休館日等もご確認ください。
エリア別:複数の美術館を巡る際のルート案内
上野エリア|歴史ある美術館群を歩く
- 東京都美術館
- 国立西洋美術館
- 上野の森美術館
上野エリアは、美術館や博物館がまとまっているので、徒歩で移動しながら巡りやすい場所です。
1日かけて複数の施設をゆっくり回りたい人にも向いています。
スタバなどカフェや飲食スペースなどももたくさんあり、展示の合間に公園を散策できるのも、上野ならではの楽しみ方です。
六本木・丸の内エリア|都市型美術館を活用
- 国立新美術館(六本木)
- アーティゾン美術館(東京駅近く)
六本木エリアは、都市型の複数の美術館が集まっていて、展示内容に合わせて回り方を選びやすいエリアです。
夜間開館を行う日も多いため、仕事帰りに立ち寄ったり、昼間の混雑を避けてゆっくり鑑賞したい人にも向いています。
都心でアクセスも良く、都合に合わせて立ち寄りやすいのも、六本木エリアの大きな魅力です。
鑑賞を円滑にするための事前準備
日時指定予約制の確認
- 人気展は早期に予約枠が埋まる
- 会期後半・土日は特に注意
- 公式サイトで予約開始日を事前にチェック
音声ガイド・公式情報の活用
ここ最近の美術館では、スマートフォン対応の音声ガイドを取り入れてるところも増えており、作品背景を知ることで理解が深まります。
鑑賞前に以下を確認しておくのがおすすめです。
- 主な展示作品
- 作家の略歴
- 展示構成のテーマ
まとめ:2026年前半のアートシーンを楽しもう


2026年前半は、近代から現代までの流れを幅広くたどれる注目の展覧会が揃っています。
気になる作家、ギャラリーを巡りながら、自分なりのお気に入りを見つける楽しさも広げてみてください。
なお、会期や内容は変更になる場合がありますので、訪問前には各美術館の公式サイトで最新情報を確認するようにしてください。
当サイトでは、今後も展覧会の見どころや楽しみ方をわかりやすくお伝えしていきます。









