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【話題のブラックアーティスト】シアスター・ゲイツの魅力│アートとコミュニティを繋ぐ芸術家

シアスターゲイツの作品・魅力を解説!

こんにちは、日本で一番”敷居の低い”アートマガジン、アートの小道です。

2024年9月1日まで六本木ヒルズの森美術館で日本初の個展を開催していた、シアスター・ゲイツという人物をご存じですか?

シアスター・ゲイツ(Theaster Gates)とは、ブラック・アートというジャンルで彫刻・陶芸・建築・音楽など様々な活動を行い、世界から注目を集めるアーティストです!

こみち
こみち

突如現れた黒人のアーティストと「ブラックアート」という聞きなれない名前に、アート好きの間でも注目が集まりました。

「シアスター・ゲイツはどんな芸術活動をしているの?」
「どんな作品を制作しているの?」

そんなゲイツに興味を持った方に向けて、彼の活動や作品の魅力をわかりやすく解説していきます!

目次

芸術家「シアスター・ゲイツ」を知ろう

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シアスター・ゲイツってどんな人?

シアスター・ゲイツ(Theaster Gates)は、アメリカ・シカゴ出身のアーティストです。

彼は1973年、シカゴのサウスサイドという地域で生まれ育ちました。

サウスサイドはかつてアフリカ系アメリカ人が多く暮らす労働者階級の地域で、長い間貧困や犯罪、地域の衰退などの問題を抱えていました。

しかし、ゲイツはそうした現実をただ嘆くのではなく、「アートの力で地域を再生しよう」と考えました。

どんな活動をしているの?

ゲイツの作品や活動の多くは、自分のルーツであるサウスサイドを舞台にしています。

彼にとってアートは、絵を描くことや彫刻を作ることにとどまらず、社会を動かす手段として捉えています!

その代表的なプロジェクトが、次の項目で解説する「リビルド・ファウンデーション(Rebuild Foundation)」です。

リビルド・ファウンデーションとは?

このプロジェクトは、サウスサイドにある空き家や放置された建物を再利用して、アートスペースや地域の人が集まれるコミュニティセンターとしてよみがえらせることを目的として始まったものです。

たとえば、「ドライブ・インズ・バック(Drive-In’s Back)」というプロジェクトでは、使われなくなった映画館を修復し、地域の人たちが映画を観たり、ライブイベントを楽しめる場として再生しました。

こうした活動によって、地域に新たな交流の場やエンターテインメントの機会が生まれ、街全体が活気を取り戻すことに繋がっています。

ゲイツの魅力とは?

シアスター・ゲイツの魅力は、単なる芸術家にとどまらず、アーティストであり、都市再生を実践する人でもあるところにあります。

彼はアートを「飾るため」ではなく、「人をつなぎ、街を変えるため」に使っています。

また、彼は地元の文化や歴史、そして人々の声を大切にしながら、希望や誇りを取り戻すための活動を続けています。

廃材から生まれるアート

ゲイツは作品に、廃材や捨てられた物を多く使用しています。

彼はこれを「リソース・リカバリー」(Resource Recovery)と呼び、廃棄物に新たな命を吹き込むことを推進しています。

「アーカイブズ・アンド・アソシエイツ」(Archives and Associates)というプロジェクトの際には、シカゴ大学から提供された膨大な数の本やアーカイブ資料を利用して、アート作品を制作しました。

ゲイツの取り組みは、単なる廃棄物が芸術作品として再評価されると同時に、過去の文化や歴史を未来へとつなぐ大事な役割も果たしています✨

ブラックアートの発展

「ブラックアート」ってなに?

「ブラックアート」とは、アフリカ系の人々が自分たちの歴史や文化、経験を表現するアートのことです。

とくにアメリカでは、黒人差別や貧困、誇りや抵抗、喜びや悲しみなど、アフリカ系アメリカ人が経験してきたことを伝える手段として発展してきました。

絵画、音楽、ダンス、彫刻、映像などジャンルはさまざまですが、共通しているのは、

  • 自分たちの声を取り戻すための表現
  • 社会に問いかける力があること

ジャズやヒップホップも、考え方によってはブラックアートの一部と捉えることもできます。

つまりブラックアートは、ただの芸術ではなく、「生きた歴史」として、見る人の心に何かを残すことでもあるのです。

ゲイツが社会に問いかけてきたこと

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音楽とアートを使って、人をつなぐ

ゲイツは自分のアートに音楽も取り入れました。

そうすることで、見るだけじゃなく「聴いて感じるアート体験」を作り出しています。

たとえば、彼は「ブラック・モンクス・オブ・ミシシッピ」という音楽グループをつくって、ゴスペルやブルースなど、アフリカ系アメリカ人の伝統的な音楽を演奏ししています。

美術館のような静かな空間に音楽を持ち込むことで、「誰でも入りやすい場所」「人と人が出会える場所」に変えてしまうところが、ゲイツならではの魅力です。

土をこねるところから始まったキャリア

実はゲイツはもともと陶芸家としてキャリアをスタートしています。

大学で土を使った作品づくりを学び、時間をかけて形を作るなかで、ものを「丁寧につくること」の大切さを体で覚えました。

陶芸はただの技術ではなく、物をつくる人の思いや背景が自然とにじみ出る表現です。

ゲイツはその技術を使って、「文化」や「記憶」を形にしてきました。

空き家をアートでよみがえらせる

彼の代表的な活動といえば、放置された建物を地域の文化拠点に変えることです。

有名な活動の一つとして、シカゴの使われなくなった古い銀行を改修して、「ストーニー・アイランド・アーツ・バンク」という場所に生まれ変わらせました。

そこではただアートを展示するだけでなく、歴史的な資料を保管したり、イベントやワークショップを開いたりしています。

こんな風に、誰も使っていなかった建物が、人が集まり、学び、楽しむ場所になる

アートの力で街そのものの価値を高めていくことこそ、ゲイツのアートの真骨頂です。

シアスター・ゲイツの魅力をご紹介しました

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ブラックアーティストとして世界から脚光を浴びる、シアスター・ゲイツの魅力をご紹介しました!

アートから社会問題をつなぐゲイツの作品は、単に美しいだけではなく、社会に対する深い感心やメッセージを持っています!

ゲイツの作品や活動に興味を持った方は、ぜひ彼の作品を観て、社会に対する強いメッセージを感じとってみてくださいね。

▼過去に開催された展示会
シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝
期間:2024年4月24日(水)~ 9月1日(日)
※現在は終了しています。

それでは、次回の投稿もお楽しみに!

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この記事を書いた人

アート・芸術オタクのwebライター。
年間20展ほどの展示会を鑑賞。
「アートの小道」は月間約7,000PV、
月間訪問者数は約4,000~6,000人です。
神奈川出身、6歳・3歳の2児の母。

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